2006年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン レースレポート
「ROUND9 鈴鹿サーキット」2006.11.18〜19 予選9位(スターティンググリッド8位)→決勝5位
4月に富士スピードウェイで開幕したシリーズも早いもので最終戦を迎える。締め括りとなるフォーミュラ・ニッポン第9戦の舞台は今季3回目の開催となる三重県・鈴鹿サーキット。前戦もてぎでシリーズタイトル争いに終止符が打たれ、これでどのドライバーにも失うものは何もない状況となった。今までにも増して予選からエキサイティングなレースウィークになることは間違いないだろう。武士は“ぶっ倒れてもいいぐらい歯を食いしばって頑張る”と、全勢力を注入してファイナルステージに挑む。
予選 11月18日(土)
気温15度と肌寒い曇天の下、午前10時10分から注目の公式予選1回目が開始された。45分間で行なわれるこのセッション。開始から20分を経過しようかという辺りから予選は動き出した。武士もこのタイミングでピットを離れゆっくりとタイヤを温めると、計測ラップ2周目にいきなりトップタイムをマーク!1分43秒台にのせたこのタイムは、この時点での鈴鹿サーキットのコースレコードだ。得意な鈴鹿で序盤から速さを見せつけた武士はその後セッティングの微調整を行ない、残り7分を切ったところで全車と共にコースイン。激しく順位が入れ替わる状況のなか、武士は3周目に自己ベストタイムを削りとり3番手に浮上。チェッカー間際に2台に抜かれたものの5位で午前の予選を終えた。
午後3時15分、グリーンシグナルの点灯とともに今季最後の公式予選がコースオープンとなった。サーキット上空は厚い雲に覆われ、まだ3時過ぎだというのに既に薄暗い状況。気温13度・路面温度15度と冬のような寒さとなり、その温度はさらに下がり始めていた。そのためか開始直後にほぼ全車が一斉にコースイン、早めのアタック合戦が展開される気配が漂った。しかし予想以上に路面温度が下がりなかなかタイムアップならず上位陣の順位は膠着状態。そして残り15分をきると予選もいよいよ大詰め、変化するコンディションにセッティングを合わせてきたマシンがついに午前のトップタイムを上回る。武士もセッティング変更を行ないながら2セットの新品タイヤを投入して必死に攻める。しかし終盤になりブレーキに不具合が生じてしまい苦しい状況に。それでも武士はそれを腕でカバーしラストアタックで自身のタイムを縮め、最終的に9番手を獲得した。なお、2番手につけた本山は前回のレースでエンジンブローを起こしエンジン交換のため10グリッド降格。武士は一つ繰り上がり明日の決勝レースを8番手からスタートすることとなった。
決勝 11月19日(日)
予報どおり朝から雨模様の決勝日。小雨ながらも上がる気配無く迎えた午後2時15分、全車レインタイヤを装着していよいよフォーメーションラップが開始された。スタートに向けマシンを左右に振りながらタイヤに熱を入れていく武士。そしてレッドシグナルの消灯と共に、22台のマシンはついに最後の戦いに向け一斉にスタートをきった。ウォータースクリーンをあげながら激しいポジション争いが展開されるなか、武士は8番手のポジションをキープしたまま1周目を通過。序盤は各車とも雨の状況を見ながら淡々とレースを消化していき上位陣に大きな動きはなかった。しかし15周を過ぎた辺りから急激に雨脚が強まりコース上はみるみる川と化し、武士もたまらずスピン。ヒヤリとする場面もあったが無事戦列に戻った。
レースも中盤になるとスピンによるリタイヤが相次ぎ、トップを快走していたトレルイエまでもがクラッシュ!コース上にとどまる事がいかに難しいかを物語っていた。これで7番手に順位を上げた武士は慎重を期しながらも好タイムで激しくプッシュし、降りしきる雨の中ひたすらゴールを目指す。34周目には4位走行中のデュバルがピットイン、武士の後方でコースに復帰したことから、これで武士はついに入賞圏内に突入した。実はこのレース、武士はノーピット作戦を決断していたためこのまま走りきれば今季初入賞となる。その後その期待はさらに現実味を帯びてくることに。43周目に3位を走行していた金石がピットに入り武士は5番手に浮上したのだ。このとき後方のデュバルとの差は1秒をきっていたが、武士はゴールが近付くにつれ最後の力を振り絞るかのようにそのギャップを徐々に広げ、ポジション逆転の隙を与えない。そのまま武士は5番手にてチェッカー。今季ベストリザルト・初入賞で有終の美を飾り2006年シーズンの幕を閉じた。
なお、トップチェッカーを受けたのはバースデーウィンを飾ったチームメイトのロッテラー。武士の入賞と共に最終戦で逆転に成功したTOM'Sは、参戦初年度にしてチームランキング2位を獲得した。
武士のコメント
「予選から調子が良かったんですが、2回目の肝心なときにトラブルが出てしまい思うようなタイムが出せず8番手からのスタート。でも決して悪いポジションではないし決勝は難しいコンディションだったので、とにかく粘り強くいこうと思っていました。車高が低すぎて水に乗ってしまい危ない場面が何回もあったんだけど、ノーピットでいこうと決めていたのでタイヤを労りつつ走って、最後5位入賞でゴールできたっていうのは色々な意味で良かったなぁと思います。最初のシーズンでチームランキング2位というのは嬉しいし、アンドレが最終戦を優勝で終わったっていうのもすごく嬉しい。もっと強くなるチームだと思うので来年また期待してください。1年間応援ありがとうございました。」
決勝結果
Pos. No Driver Laps Grid/Time
1 36 A.ロッテラー 51周 4/1'42"710
2 20 松田次生 51周 1/1'42"133
3 7 片岡龍也 51周 10/1'43"259
4 56 小暮卓史 51周 2/1'42"466
5 37 土屋武士 51周 8/1'43"071
6 31 L.デュバル 51周 6/1'43"005
7 55 金石年弘 51周 5/1'42"919
8 6 J-P. デ・オリベイラ 51周 17/1'44"246
9 40 B.ビルドハイム 51周 19/1'44"422
10 41 井出有治 51周 16/1'44"056
11 5 道上 龍 51周 22/1'44"585
12 33 R.クインタレッリ 50周 13/1'43"463
13 4 柳田真孝 50周 20/1'44"522
14 2 星野一樹 50周 21/1'44"806
―(以上規定周回完走)規定周回数:45周―
- 17 平中克幸 37周 9/1'43"218
- 34 横溝直輝 35周 15/1'43"992
- 19 B.トレルイエ 26周 3/1'42"590
- 1 本山 哲 24周 12/1'42"361
- 11 立川祐路 24周 14/1'43"554
- 32 武藤英紀 2周0 11/1'43"413
- 3 荒 聖治 1周 18/1'44"398
- 8 高木虎之介 0周 7/1'43"029