TEAM TAKESHI NET "Race Report"

レースレポート
第6戦より公式サイトの方へレポートがUPされることになりました。
よろしくお願いいたします。
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2007年SUPER GTレースレポート
2007年SUPER GTレースレポート

「ROUND5 スポーツランドSUGO」2007.7.28〜29   予選12位→決勝8位



前戦セパンの興奮も覚めやらぬ7月の3連休、武士は“スーパー耐久 十勝24時間レース”にスポット参戦した。SUPER GTではチームメイトの織戸も別のチームから同じくスポット参戦していたためここではライバル同士。通常では実現しないバトルも展開され手に汗を握った。朝方までの長雨のなか武士は全ドライバー中最多距離を走行し、後半にはトラブルを抱えるマシンを巧みに操り凄まじい追撃で観客を魅了。総合3位、クラス2位で自らチェッカーを受けるなど大活躍を見せた。

そんな上昇気流に乗ったまま武士は7月最後の週末、“宮城県・スポーツランドSUGO”にて開催されるSUPER GT第5戦に挑む。全9戦のシリーズはこのSUGO戦にて早くも折り返し。前半戦は3戦入賞と好調を維持するTOYOTA Team TSUCHIYA。果たして十勝の表彰台で見せた笑顔を今週末にも見せてくれるだろうか。



公式予選 7月28日(土)

心配された天候も問題なく好天で迎えた公式予選日。気温30度・路面温度38.5度と蒸し暑いコンディションのなか、午前11時20分からGT500クラスの公式予選1回目は開始された。その直後、ピットに戻ろうとしていたGT300クラスのマシンがコースオフ。その回収作業のため赤旗が掲示され、12分後に再開された20分間の専有セッションは仕切り直しとなった。25号車は武士が乗り込み早速アタックを開始する。計測ラップ4周目に暫定2番手のタイムとなるアタックを見せると一旦ピットへ。昨日の合同テストとさほどコンディションの変化はなく、序盤は数台のみの走行となっていた。専有セッションも残り8分をきるとサーキット中に爆音を響かせ全マシンがコースイン。タイミングモニターは慌ただしい動きを見せるようになった。武士も更なるタイムアップを狙い再びピットを離れる。周回を重ねる毎にタイムアップを果たす武士だが、セッション終盤に凝縮された公式予選はタイムも拮抗。25号車は僅差の12番手で混走セッションの時間帯となった。

続いて織戸が107%予選基準タイムクリアのためユーズドタイヤでコースイン。1周でそのタイムをクリアすると、そのまま決勝へ向けてのプログラムを順調にこなした。その後も順位に変動は無く、残念ながら25号車のSL進出は叶わず。この公式予選で明日の決勝は12番グリッドからのスタートが決定した。



決勝 7月29日(日)

決勝日を迎えたスポーツランドSUGOは朝から曇り空。気温22度と昨日までの暑さが嘘のような肌寒い天候に。時折小雨がパラつくも路面を濡らすまでには至っていなかった。

しかしウォームアップ走行後のコースオープンのタイミングで、まるでそれを待っていたかのように土砂降りの雨に急変、瞬く間に路面は水膜に覆われた。ほとんどのマシンが慌ただしくグリッド上でウエットタイヤに交換するという状況で、各チームとも戦略に頭を悩ませる緊張と不安の幕開けになった。次第に雨の勢いはおさまり、午後1時58分にセーフティーカー(SC)先導のもと81周に渡るレースのローリングラップがスタート。途中スピンやピットインするマシンがあったためなかなか隊列が整わずSCランは6周に渡り、その後レースは正式にスタートがきられた。水煙を上げながらスタートをきった隊列はほぼグリッド順に1コーナーをクリア。浅溝のウエットタイヤでスタートした25号車は、今レース用に持ち込んだタイヤでぶっつけ本番状態。スタートを担当した織戸も流石に序盤はペースが上がらず13番手に順位を落とす。しかし路面が乾き始めると徐々にペースを戻し、GT300クラスをうまくオーバーテイクしながら順調にラップを刻んでいった。



レースも3分の1が経過しラインが乾き始めると、25号車は予定を早めて37周目に織戸をピットへと呼び戻す。チームは完璧なピット作業をこなし、織戸がしっかりとバトンを繋いだ武士をコースへと送り出した。武士はスリックに履き替えたマシンでタイヤが温まると猛スパート!自身のファステストタイムを塗り替えながらの力走はかなりの好ペースで、次戦へ向けてのベストラップによる余計なハンデウエイトを心配される程だった。それでも追撃の手を緩めない武士は途中、ラップダウンを取り戻すべくトップのマシンを2回もオーバーテイク!武士はまさに自己のパフォーマンスを追求する走りを披露していた。



ウエットからドライへと変化する難しいコンディションとなったレース中盤、路面の方は乾き始めたとは言えまだ滑りやすくコース上ではスピン・コースオフが相次ぎ荒れた展開に。そんななか武士は3分の2を経過した時点で8位までポジションを引き上げていた。終盤には他車のリタイアにより7位に浮上。しかし残り数周のところで強引に抜きにかかる12号車Zに先行を許す形となる。そのまま武士は波乱のレースを最後までミスなく走りきり、8位入賞でフィニッシュを迎えた。



次戦は8月18・19日に鈴鹿サーキットにて第6戦1000kmレースが開催される。

00:22 | スーパーGT | - | -
2007年SUPER GTレースレポート
2007年SUPER GTレースレポート

「ROUND4 セパンサーキット」2007.6.23〜24   予選13位→決勝5位




前戦富士から約7週間のインターバルを経て、SUPER GTはシリーズ唯一の海外戦であるマレーシア・セパンラウンドを迎える。マレーシアと言えば今年から武士とパートナーシップ契約を結んでいる“M7 MOTORSPORTS”の地元でありホームグラウンドでの大切な1戦。ちなみにM7とは、日本車の輸入・TOYOTAのディーラー・リゾートと多岐に渡って展開している“MUTIARA MOTORSグループ”の企業で、主にチューニングパーツの開発・販売を行なっているブランドである。

サーキットのパドックにはM7専用のVIPラウンジ、イベント広場にはPRブースを設置。セパン戦限定Tシャツやタオルの販売、加えてM7・BRIDE・サムライのコラボレーションによる武士スペシャルシートの展示・サイン会などが開催され地元ファンでブースは大盛況。“スポンサーさんであり、また大切な仲間”と武士がコメントするM7の心強い味方が見守る中、猛暑のセパンで武士はチーム一丸となって上位フィニッシュを目指す。



公式予選 6月23日(土)

朝から強い日差しを浴びたセパンサーキットにて、現地時間11時から公式予選1回目が始まった。気温は軽く30度を越え、蒸し暑く厳しいコンディションとなった。いつものように最初の20分間がGT300クラス、続く20分間がGT500クラス、そして最後の20分間が混走となる。昨晩のスコールで流されたラバーも各車が走り込むことで増し路面コンディションは好転していくものと予想された。GT500クラスの専有セッションが開始されると25号車は武士がステアリングを握りコースイン。気迫あるアタックは1分56秒526でこの時点の2位につける。アタックを終えた武士はマシンをピットへと戻しドライバー交替。替わってステアリングを握った織戸は、トラフィックをかきわけながらクリアラップを刻み僅か1周で予選通過基準タイムをクリア。しかしGT500クラスの専有セッション終了間際のタイミングで順位は入れ替わり、25号車は13位でこのセッションを終えた。



残りの混走セッションは予選用から決勝用にセッティングを変更し、織戸・武士の順に乗り込み念入りなマシン調整に時間を費やした。

悔しくもSL進出を逃した25号車だが明日の決勝に向けての手応えは掴んでいる。持ち前の粘り強さで13番グリッドからの追い上げに期待しよう。



決勝 6月24日(日)

セパン戦の決勝レーススタートは少しでも気温の下がる夕方の4時から。それでも日没は19時半過ぎのためまだまだ暑いことに変わりはない。気温・路面温度も週末で一番上昇しスタート時点で34度/56度。ここから54周に渡る熱い戦いが繰り広げられる。

君が代・マレーシア国歌斉唱の後、3万4千人を越える地元ファンの熱い声援を受けながら隊列はローリングラップを開始。その途中でPP18号車NSXがまさかのトラブルで隊列から外れ波乱の幕開けとなる。翌周にはPP不在のままスタートがきられ、サーキットの盛り上がりは最高潮に!25号車のステアリングを握る織戸は激しい攻防戦のなかアクシデントを回避しながら12位にポジションを上げ順調にレースを進めていく。2周目にはタイヤがバーストするマシンも見られ荒れたレース展開を予感させた。通常はガソリンが軽くなるにつれラップタイムは上がるものだが、今回は10周を過ぎた辺りからトップグループがペースダウン。これは直前に行われた路面の再舗装に影響されるものと思われ、ところどころバンピーな路面は高い路面温度も手伝ってタイヤの磨耗を容赦なく加速させた。セパン戦の直前にその改修の情報は伝わったが、時既に遅し。冬のテストのデータも生かせず各チームともセッティングに苦労していたのだった。そして予想以上に早い14周目に全磨耗の状態で1台がピットイン。その後も2ピット作戦と思われるマシンがたまらず続々とピットへと向かった。タイヤを労りペースコントロールを完璧に行なってきた25号車の織戸はそれを横目にポジションアップ。トップを除く1ストップのマシンもピットに入ると織戸は24号車Zに追走する形で2位へと浮上した。GT500クラスのアドバンユーザーはこの2台のみ。ここまで厳しい戦いを強いられてきただけに、タイヤのポテンシャルの高さを証明したこのアドバンユーザーの1・2態勢は感慨深いものがあった。



多くのチームが2ピット作戦を選択するなか、1ピット作戦を敢行していた25号車の織戸は完璧なレース運びを見せ、予定どおり26周を走りきるとピットへとマシンを戻し武士にバトンタッチ。武士はタイヤの磨耗に十分配慮しながら自分のペースで走行を重ねる。そんななか非常事態が発生。想像を絶するコックピットの暑さのなかで武士のクールスーツは突然異常をきたし、残り16周辺りから全く機能しなくなってしまったのだ。しかも2ピット作戦のマシンが2回目のピット作業へ向かい武士は順位を5位まで上げたそのタイミングで、後方からはライバル達が集団で迫ってきていた。一旦は表彰台まであと一歩の4位までポジションを上げるが、12号車Zの猛追をうけ武士はゴールすることを優先して先行を許す。その後も延々と展開された激しい4位争いはチェッカー目前まで続き、ファイナルラップに入ってまでもスピン・接触というドラマが待っていた。武士はこの混乱をミスなく切り抜け、脱水症状に陥りながらもマシンをフィニッシュラインへと導く。そして、レースウィークを通して全力でバックアップをしてくれたM7の関係者の目の前で、見事今季最上位の5位入賞を果たした。

次戦は7月28・29日、宮城県・スポーツランドSUGOにて第5戦が開催される。

23:46 | スーパーGT | - | -
2007年SUPER GTレースレポート
2007年SUPER GTレースレポート

「ROUND3 富士スピードウェイ」2007.5.3〜4   予選7位(スターティンググリッド10位)→決勝リタイア



春の大型連休真っ只中。5月4日金曜日に決勝を迎えるSUPER GT第3戦は静岡県・富士スピードウェイにて開催される。通常300kmのレース距離は今回500km。エンジン・タイヤの耐久性からレース戦略に至るまで、チームの総合力が問われるレースとなるだろう。シリーズ9戦で最も観客動員数が多いと言われている前半戦の山場で、TOYOTA Team TSUCHIYAはどのようなレースを見せてくれるのか。武士も“前半戦のターゲット”とコメントしているこの富士での1戦を見逃すな。



予選 5月3日(木)

決勝レースを明日に控えた5月3日。予選日にもかかわらず多くの観客が集まりサーキットは賑わいをみせた。好天のもと公式予選はGT300クラスの専有走行から始まり、10時40分からGT500クラスのタイムアタックセッション。まずは午後のスーパーラップ(SL)進出のベスト10を目指して20分間の予選1回目となる。前日とほぼイコールコンディションのためかコース上には数台のマシンのみ。武士も1周のマシンチェックを済ませるとピットで待機していた。残り10分をきったところで先陣をきって武士はコースイン。集中力を高め走るごとに自己ベストタイムを削ってくる。そして4周目にはついにトップに浮上!その後も続くタイムアタック合戦により順位は入れ替わるが、それでも25号車は5位で1回目の公式予選を終了。今季初のSL進出を決めた。

2回目の公式予選は午後3時25分から。このセッションでは無理なアタックをせずSLへ向けての念入りな最終調整を行なった。そして順調にタイムスケジュールは消化していき、いよいよGT500クラスのSLが開始された。6番目に出走した25号車のコースインは午後4時半過ぎ。この頃になると肌寒くなり路面温度も下がり始める中、武士はセクター2までマイナス表示で通過!セクター3で若干タイムロスがあったのか、自己ベストタイムを0.4秒縮めたもののその時点でのトップと僅か0.047秒差で3位。最終的に7位でSLを終了した。このSL時の最高速に関しては2番手に6kmも差をつけて武士はトップの288.154kmをマーク。この直線の速さは1.5kmに及ぶ国内最長の直線を持つ富士でのレースには有利に働くに違いない。

なお、SL後の車検にて25号車は車両規則違反(地上最低高)が判明しSLのタイム抹消の判定が。明日の決勝レースは10番手からスタートすることとなった。



決勝 5月4日(金)

見事な富士山を望む富士スピードウェイ。ゴールデン・ウィーク恒例のビッグレースは決勝日も好天に恵まれ55000人と大勢の観客が訪れた。気温25度・路面温度38度、追い風が強く吹くコンディションの中、ほぼ定刻の午後2時5分、全44台のGTマシンは110周先のゴールへ向けローリングラップへと入っていった。そのローリングラップ中に1号車SCが駆動系トラブルによりコース上にストップ。ローリングはもう1周行なわれ翌周スタートとなった。25号車のスタートドライバーを担当した織戸は、スタート直後のポジション争いをぬうようにうまく自分のラインをキープし10位でオープニングラップを通過。レースは序盤から接触が相次ぎコース上にはマシンの破片が散乱するなど荒れた展開となっていた。そんな中でも織戸は4周目の最終コーナーを立ち上がるとストレートで相手に考える隙を与えることなく17号車NSXと23号車Zをズバッと2台抜き。さらに7周目には8号車NSXをパス、早くも6位へと浮上した。これで4台による3位争いに加わった織戸は猛烈にプレッシャーをかけ始める。しかしその直後の9周目には周回遅れのマシンとの接触により10位まで後退、振り出しに戻る形となってしまった。少しずつ歯車が噛み合わなくなっていた25号車にさらなる試練が続く。なんと左側のボンネットのピンが外れるというトラブルがレース序盤から発生していたのだ。チームは破損してからでは遅いとオレンジボールを危惧して早めのピットインを決断。燃料が2ピット作戦ギリギリの26周終了時点でピットに入りボンネットに応急処置を施し、タイヤ交換・給油そして武士へとドライバー交替を行なった。一旦は12位まで後退した25号車だったがここからまた追い上げを開始。トップと遜色のないペースで快調にとばす武士は、他車のピットインも手伝って瞬く間にポジションを上げてくる。ここ富士に照準を合わせて開発を行なってきた横浜タイヤとSC430との相性も良く、確実に1歩1歩上位フィニッシュに近付いていっていた。しかし38周目、6位までポジションを上げ快走を続けていた武士に思わぬ事態が発生。何の前ぶれも無く突然エンジンが悲鳴をあげスローダウン…やむなく300Rに自らマシンをとめここでリタイアとなったのだ。

その後もレースは赤旗中断など波乱の展開が続き、最終的に長丁場のレースを制したのは23号車Z。このマシンは25号車がリタイアする直前、武士の後方に位置していた。レースに“たられば”は禁物だが最大のチャンスを掴めなかったことはやはり悔やまれる。だが今レースでは優勝したマシンと勝負が出来る、それだけのポテンシャルを持ったマシン・チームに飛躍した証を見せたと言えるだろう。今後も、とどまることを知らない“TOYOTA Team TSUCHIYA”から目が離せない。

次戦は6月23・24日、マレーシア・セパンサーキットにて第4戦が開催される。
17:53 | スーパーGT | - | -
2007年SUPER GTレースレポート
「ROUND2 岡山国際サーキット」2007.4.7〜8   予選11位→決勝6位



筋書きのあるドラマのようなレース展開で盛り上がりを見せた開幕戦。我らが25号車“ECLIPSE ADVAN SC430”はペナルティにより最後尾スタートを強いられながらも9位入賞を果たすなど、07シーズンのスタートを幸先良く飾ったと言っていいだろう。今年は開幕からレース以外でもパワーアップ!グランドスタンド裏にはお馴染みのADVANブースをはじめ、メインスポンサーの“ECLIPSE”、そして今年から新たに“SUNOCO”のブースを設置。岡山では地元から“ピュアテックウォーター”のブースも設置予定とのこと。毎戦楽しいトークショーやサイン会などが開催され、レース以外の時間帯も楽しめる充実した内容となっている。ピットウォークでは毎戦違うバージョンのポストカードを自らプレゼントするなどパワー全開の武士は、3月下旬に富士で行われた2日間の合同テストを精力的にこなし、第2戦の舞台となる岡山県・岡山国際サーキットへと入った。開幕戦で掴んだいいリズムのままさらなる飛躍に期待しよう。



予選 4月7日(土)

曇天ながらも時折春の日差しを浴びる岡山国際サーキット。気温12度・路面温度17度というドライコンディションの中、午前10時45分からGT500クラスの公式予選1回目が開始された。今回は普段の展開とは異なり各車開始直後に続々とコースイン。しかし数台のマシンを残しほとんどは1周でピットに戻ってしまう。そんな中、武士はコントロールラインを最初に通過、積極的にアタックを敢行していった。横浜ゴムとの協働により急ピッチで開発を行なってきたニュータイヤをチョイスしてのアタックは走る毎にタイムを削ってくる。他チームがピットで戦略を窺っているコースが比較的クリアなうちに武士はトップタイムを次々に塗り替え、アタックラップ4周目に1分24秒428をマークするとピットに戻る。残り計測時間は8分。通常ならいよいよ全16台のタイム合戦が始まるというところだが武士はここでマシンを降りた。替わって乗り込んだ織戸は予選基準タイムをクリアした後給油を行ない、明日の決勝へ向けて周回を重ねていく。混走セッション残り10分を切ると雨が降り出しウエット宣言が出されるが路面を濡らすまでには至らず。このタイミングで再び武士がステアリングを握り、さらに念入りなセッティングの確認作業を行なった。気になる順位の方は…GT500クラス専有走行残り3分まではトップをキープしていた25号車だったが、全車が入り乱れてのタイム合戦は例によって最後の最後に凄まじい勢いで入れ替わる。10位に落ち着いたと思われた混走セッション開始直後、僅か0.012秒差で武士のタイムを上回るマシンが出たため25号車は11位で公式予選を終えた。

またこの日は武士が色々な形で支援している“ハンドドライブ・クロス”の開幕戦が行なわれた。武士は自らドクターカーの運転を行なうなど積極的に参加し、本レースの盛り上げに貢献していた。



決勝 4月8日(日)

朝方は濃霧が立ち込めていた岡山国際サーキットだが、日が昇るにつれ春らしい好天に恵まれた。午後は曇り空になったものの前日よりも気温・路面温度ともに上昇しスタート時点ではそれぞれ18度・25度。レースは定刻どおり午後2時にスタートをきった。直後の1コーナーでは開幕戦に続き波乱の展開へ。PPスタートの18号車NSXと1号車SCが軽く接触、18号車はコースオフを喫し最後尾まで順位を下げる。一方織戸も1コーナーの混乱とポジション争いにより1つ順位を落としてしまう。しかし3周目には早くも12号車Zをパスするとその後も猛烈にプッシュ。3号車Zも難無くかわすと、さらに2台のドライブスルーペナルティにより8位へ。なおも織戸の勢いは止まらない。立て続けにSC勢2台をオーバーテイク!まだレースは5分の1しか消化していないというのに11番スタートから一気に6位までポジションを上げていた。その後は23号車Zのリタイアでさらにポジションを1つ上げるが、すぐにドライブスルーペナルティで順位を下げていた1号車にパスされ再び6位へ戻るという展開。織戸は冷静さを保ちながらも何かが乗り移っているかのようなキレた鋭い走りを見せていた。

レースは30周を過ぎると各チームのピット作業が始まった。上位陣では最もひっぱり25号車は37周目にピットイン。チームクルーの迅速な作業によりドライバー交替をした武士は5位でレースへ復帰する。しかしまだタイヤの温まっていないアウトラップでは、後方の1号車を抑えるまでのマージンは無く先を譲る形に。そのさらに後方には18号車が迫ってきていた。オープニングラップでコースオフを喫し最後尾から勢いよく追い上げてきたマシンだ。2ndドライバーの小暮はすぐに武士の背後にピタリとつけると揺さぶりをかけ始める。織戸が追い上げ奪ったポジションを今度は武士がしっかりと守る番だ。“織戸さんの走りに勇気付けられた”という武士はここで道を譲るわけにはいかない。だが相手はPPを獲得しているマシン、若干のギアトラブルを抱えていたようだが簡単にパスされても不思議ではない状況である。しかも今レースはシリーズで最も1周の距離が短いため、常に周回遅れが存在しコース上はトラフィックの嵐だ。連続するコーナーでは接触が相次ぎ、スピンやペナルティで順位を落とすマシンも増えていた。一瞬の判断ミスがレースウィークを台無しにしかねない厳しい状況の中、2台はほとんど離れることなく周回遅れのマシンを掻き分けながらのバトルを展開し続けていく。この2台による6位争いは僅差のままついにファイナルラップへと突入。そして40周以上に渡る長い壮絶なバトルの結末は、チェッカーフラッグが高々と告げた。武士は見事に18号車を抑えきり6位入賞!開幕戦に続き好結果で岡山ラウンドの幕は閉じた。

次戦SUPER GT第3戦は、TOYOTA Team TSUCHIYAが開幕前から照準を合わせてきた富士での500kmレース。ここまで戦略どおりに、かつ確実な進歩を遂げている25号車の走りを見逃す手はない。その第3戦は5月3・4日に静岡県・富士スピードウェイにて開催される。




07:29 | スーパーGT | - | -
2007 SUPER GT ROUND 1
2007年SUPER GTレースレポート
「ROUND1 鈴鹿サーキット」2007.3.17〜18   予選16位→決勝9位



三重県・鈴鹿サーキットを皮きりに待望の2007年シーズンが開幕する。開幕に先駆けて2月22日に行なわれた“2007年ADVANモータースポーツ体制発表会”。この席で武士の活動発表もなされた。今年はSUPER GTに全勢力を注ぎ込む形となり、参戦体制は昨年同様“TOYOTA Team TSUCHIYA”からエントリー。マシンは06モデルを07仕様にアップデートを施したレクサスSC430に変更となり“ECLIPSE ADVAN SC430”を操ることとなる。2年連続でパートナーが変わらないのは意外にも初めてという武士とタッグを組むのは織戸学。スタッフ陣営も強化し、さらにパワーアップしたチーム体制を武士自らが作りあげ新シーズンに挑む。注目すべきはアドバンタイヤとレクサスの初組み合わせ。冬のテストでも積極的にデータを集め開幕に備えてきた土屋エンジニアリング。年を追うごとに拮抗するS-GT全9戦の熱いバトルがいよいよ幕を開ける。


予選 3月17日(土)
風が冷たいながらも快晴に恵まれた鈴鹿サーキット。GT300クラスの専有走行から今シーズンの公式スケジュールは動き出した。午前10時35分からはいよいよGT500クラスの公式予選1回目。公式予選は、1回目の上位10台が午後のスーパーラップで、残りの6台はこのセッションで明日の決勝のスターティンググリッドが決定するしくみである。25号車“ECLIPSE ADVAN SC430”のアタックドライバーは武士。GT500のボードが掲げられると武士は先陣を切ってコースイン。冷えたタイヤにゆっくりと熱を入れながら徐々にアタックモードへと入っていく。4周目に4位のタイムを出すと、一旦ピットに戻りタイヤ交換を済ませ再びコースへ。このタイミングでピットに待機していたその他全てのマシンもアタックを開始したためコース上は大混雑となった。そんな中、武士はうまくクリアラップをとり1分53秒100とさらに自己ベストタイムを削ってくる。13位の順位のところで混走の時間帯となりここで織戸に交替。織戸はしっかりと予選通過基準タイムをクリアすると、ガソリンを補給し決勝セッティングの確認に入る。しかし終了間際に黄旗区間の追い越しを犯してしまい武士のマークしたベスト及び2ndラップのタイム抹消のペナルティを受けることとなってしまう。これにより明日の決勝は最後尾スタートを強いられる結果となった25号車であったが、確実なマシンの進化を肌で感じた武士の表情は明るい。明日の決勝での追い上げを大いに期待しよう。

決勝 3月18日(日)
ドライコンディションを維持したまま迎えた決勝日。冷たい風が強く吹き決してベストな観戦日和とはいかないが、それでも開幕を待ちわびていた大勢のモータースポーツファンが鈴鹿サーキットに詰め掛けた。そんな大観衆が見守る中、定刻の午後2時からローリングラップはスタートした。1周の後シグナルが青に変わると、昨年に引き続き25号車のスタートドライバーの織戸は抜群のタイミングでアクセルオン!フル加速で3号車Zに襲いかかる。しかしその前方の1コーナーでは多重クラッシュが発生。全マシンが最接近するスタート直後のアクシデントだけにヒヤリとする場面だったが、織戸はコースオフするマシンの横をうまくすりぬけ接触を回避、最後尾16番スタートから13番手までポジションを上げた。その後も快調にラップを重ねる織戸だったが、オープニングラップのアクシデントにより後方に沈み追い上げを計ってきた22号車Zに追いつかれ、13周目には1つポジションを落としてしまう。それでも織戸は集中力を決して切らさず14位のポジションをキープ、武士へとバトンを繋ぐために攻め続けていく。
レースも中盤、21周を終えたところで早くもピット作業が始まった。23周目には25号車のすぐ前を走行する3号車Zがピットイン。それを待っていたかのように翌周25号車もピットへ入りタイヤ交換と給油、そして武士へとドライバー交替を行なった。ターゲットマシンの直後に入るというこのピット作戦は見事に的中し3号車Zの前へ出ることに成功。順位の落ち着いた25周目にはピット作業前より1つポジションを上げ13位に浮上していた。GT500クラス最後のピット作業は12号車Z。このマシンは武士の前でコースへ復帰するが武士はこれを難無くパスし12位へ。その翌周には3位を走行する100号車NSXがスピン、さらに2位を走行する18号車NSXのエンジントラブルとリタイヤが相次ぎ、25号車は45周目についに入賞圏内の10位へと浮上した。入賞をかけて12号車Zが背後から武士に揺さぶりをかけ続け白熱するバトルが展開されるが武士は絶対に譲らない。その12号車Zがペナルティのためピットに入ると武士はさらにペースをあげ、15秒以上あった前方の35号車SCとの差をみるみる縮めていく。そしてついに52周に渡るレースはファイナルラップへと突入…ここで驚きの結末が待っていた。ここまで終始トップを独走してきた8号車NSXが突然のスローダウン、ゴールまであと僅かのスプーンカーブで力尽きた。これによりトップに立ったのは38号車SC。25号車もさらに1つポジションを上げ9位入賞にてチェッカーを受けた。
なおレース後のピットでは開幕戦を幸先の良いスタートで飾れたお祝いと併せて、3月生まれの土屋春雄監督・RQ河合洋美さんの誕生会が開催された。レース時の真剣な表情から一転、緊張感から解放され“TOYOTA Team TSUCHIYA”ならではのアットホームな雰囲気に戻り、和やかで安堵な時間を楽しんでいた。
次戦第2戦は、4月7・8日に岡山県・岡山国際サーキットにて開催される。

23:03 | スーパーGT | - | -
フォーミュラ・ニッポン レースレポート
2006年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン レースレポート
「ROUND9 鈴鹿サーキット」2006.11.18〜19  予選9位(スターティンググリッド8位)→決勝5位






4月に富士スピードウェイで開幕したシリーズも早いもので最終戦を迎える。締め括りとなるフォーミュラ・ニッポン第9戦の舞台は今季3回目の開催となる三重県・鈴鹿サーキット。前戦もてぎでシリーズタイトル争いに終止符が打たれ、これでどのドライバーにも失うものは何もない状況となった。今までにも増して予選からエキサイティングなレースウィークになることは間違いないだろう。武士は“ぶっ倒れてもいいぐらい歯を食いしばって頑張る”と、全勢力を注入してファイナルステージに挑む。



予選 11月18日(土)

気温15度と肌寒い曇天の下、午前10時10分から注目の公式予選1回目が開始された。45分間で行なわれるこのセッション。開始から20分を経過しようかという辺りから予選は動き出した。武士もこのタイミングでピットを離れゆっくりとタイヤを温めると、計測ラップ2周目にいきなりトップタイムをマーク!1分43秒台にのせたこのタイムは、この時点での鈴鹿サーキットのコースレコードだ。得意な鈴鹿で序盤から速さを見せつけた武士はその後セッティングの微調整を行ない、残り7分を切ったところで全車と共にコースイン。激しく順位が入れ替わる状況のなか、武士は3周目に自己ベストタイムを削りとり3番手に浮上。チェッカー間際に2台に抜かれたものの5位で午前の予選を終えた。

午後3時15分、グリーンシグナルの点灯とともに今季最後の公式予選がコースオープンとなった。サーキット上空は厚い雲に覆われ、まだ3時過ぎだというのに既に薄暗い状況。気温13度・路面温度15度と冬のような寒さとなり、その温度はさらに下がり始めていた。そのためか開始直後にほぼ全車が一斉にコースイン、早めのアタック合戦が展開される気配が漂った。しかし予想以上に路面温度が下がりなかなかタイムアップならず上位陣の順位は膠着状態。そして残り15分をきると予選もいよいよ大詰め、変化するコンディションにセッティングを合わせてきたマシンがついに午前のトップタイムを上回る。武士もセッティング変更を行ないながら2セットの新品タイヤを投入して必死に攻める。しかし終盤になりブレーキに不具合が生じてしまい苦しい状況に。それでも武士はそれを腕でカバーしラストアタックで自身のタイムを縮め、最終的に9番手を獲得した。なお、2番手につけた本山は前回のレースでエンジンブローを起こしエンジン交換のため10グリッド降格。武士は一つ繰り上がり明日の決勝レースを8番手からスタートすることとなった。



決勝 11月19日(日)

予報どおり朝から雨模様の決勝日。小雨ながらも上がる気配無く迎えた午後2時15分、全車レインタイヤを装着していよいよフォーメーションラップが開始された。スタートに向けマシンを左右に振りながらタイヤに熱を入れていく武士。そしてレッドシグナルの消灯と共に、22台のマシンはついに最後の戦いに向け一斉にスタートをきった。ウォータースクリーンをあげながら激しいポジション争いが展開されるなか、武士は8番手のポジションをキープしたまま1周目を通過。序盤は各車とも雨の状況を見ながら淡々とレースを消化していき上位陣に大きな動きはなかった。しかし15周を過ぎた辺りから急激に雨脚が強まりコース上はみるみる川と化し、武士もたまらずスピン。ヒヤリとする場面もあったが無事戦列に戻った。

レースも中盤になるとスピンによるリタイヤが相次ぎ、トップを快走していたトレルイエまでもがクラッシュ!コース上にとどまる事がいかに難しいかを物語っていた。これで7番手に順位を上げた武士は慎重を期しながらも好タイムで激しくプッシュし、降りしきる雨の中ひたすらゴールを目指す。34周目には4位走行中のデュバルがピットイン、武士の後方でコースに復帰したことから、これで武士はついに入賞圏内に突入した。実はこのレース、武士はノーピット作戦を決断していたためこのまま走りきれば今季初入賞となる。その後その期待はさらに現実味を帯びてくることに。43周目に3位を走行していた金石がピットに入り武士は5番手に浮上したのだ。このとき後方のデュバルとの差は1秒をきっていたが、武士はゴールが近付くにつれ最後の力を振り絞るかのようにそのギャップを徐々に広げ、ポジション逆転の隙を与えない。そのまま武士は5番手にてチェッカー。今季ベストリザルト・初入賞で有終の美を飾り2006年シーズンの幕を閉じた。

なお、トップチェッカーを受けたのはバースデーウィンを飾ったチームメイトのロッテラー。武士の入賞と共に最終戦で逆転に成功したTOM'Sは、参戦初年度にしてチームランキング2位を獲得した。



武士のコメント
「予選から調子が良かったんですが、2回目の肝心なときにトラブルが出てしまい思うようなタイムが出せず8番手からのスタート。でも決して悪いポジションではないし決勝は難しいコンディションだったので、とにかく粘り強くいこうと思っていました。車高が低すぎて水に乗ってしまい危ない場面が何回もあったんだけど、ノーピットでいこうと決めていたのでタイヤを労りつつ走って、最後5位入賞でゴールできたっていうのは色々な意味で良かったなぁと思います。最初のシーズンでチームランキング2位というのは嬉しいし、アンドレが最終戦を優勝で終わったっていうのもすごく嬉しい。もっと強くなるチームだと思うので来年また期待してください。1年間応援ありがとうございました。」


決勝結果
Pos. No Driver Laps Grid/Time
1 36 A.ロッテラー 51周 4/1'42"710
2 20 松田次生 51周 1/1'42"133
3 7 片岡龍也 51周 10/1'43"259
4 56 小暮卓史 51周 2/1'42"466
5 37 土屋武士 51周 8/1'43"071
6 31 L.デュバル 51周 6/1'43"005
7 55 金石年弘 51周 5/1'42"919
8 6 J-P. デ・オリベイラ 51周 17/1'44"246
9 40 B.ビルドハイム 51周 19/1'44"422
10 41 井出有治 51周 16/1'44"056
11 5 道上 龍 51周 22/1'44"585
12 33 R.クインタレッリ 50周 13/1'43"463
13 4 柳田真孝 50周 20/1'44"522
14 2 星野一樹 50周 21/1'44"806
―(以上規定周回完走)規定周回数:45周―
- 17 平中克幸 37周 9/1'43"218
- 34 横溝直輝 35周 15/1'43"992
- 19 B.トレルイエ 26周 3/1'42"590
- 1 本山 哲 24周 12/1'42"361
- 11 立川祐路 24周 14/1'43"554
- 32 武藤英紀 2周0 11/1'43"413
- 3 荒 聖治 1周 18/1'44"398
- 8 高木虎之介 0周 7/1'43"029
01:27 | Formula Nippon | - | -
SUPER GT レースレポート
2006年SUPER GTレースレポート
「ROUND9 富士スピードウェイ」2006.11.4〜5   予選10位→決勝9





約1ヶ月前、初冠雪の便りが届いた富士山。その麓に位置する静岡県“富士スピードウェイ”にて11月最初の週末、SUPER GTは2006年シーズンのファイナルラウンドを迎える。注目を集めているのは、やはりここまでもつれ込んだタイトル争い。実に8組・15人のドライバーがその権利を持ち富士に乗り込んでくる。しかしこのマシン達はいずれも重いハンデウエイトを背負ってのレース。一方、武士の操る#25は性能引き上げ措置1ランクアップ・性能調整-25kgと、上位を狙える条件を十分に備えている。今季においては残念ながらタイトルの権利は既になくなっているが、ウエイトの軽いマシンがタイトル争いにどう絡んでくるかも見所の一つと言えよう。1戦1戦を大切に戦ってきたチームツチヤにとっては今レースも来季に繋がる大事な1戦。前日の合同テストではトラブルを抱えながらも5番手のタイムをマークするなど好調さをアピールした。確実な進歩を遂げているアドバンタイヤとともに、武士は今年最後のレースに全力を注ぐ。



予選 11月4日(土)

最終決戦を明日に控え、この日スターティンググリッドを決定する公式予選が行なわれた。まずは午後のスーパーラップ(SL)進出を目指し午前10時30分からの1回目。天候は時折日が差す曇り空。例によってGT500クラスのボードが掲げられてもほとんどのマシンに動きは見えない。その静寂を破るように占有走行残り10分のところで武士は先陣をきってコースイン。それが合図だったかのようにいよいよ本格的なタイム合戦が始まった。武士はなかなかクリアなラップが取れず苦戦を強いられるが、最後のアタックで自己ベストを4秒以上と大幅にタイムを縮め8番手へと浮上。最終的にも9位に踏み留まり、しっかりとSL進出権を確保した。

公式予選1回目から4時間のインターバルをおいて2回目の予選とSLが実施された。GT500クラスのトップランナーがSLのアタックのためピットを離れたのは午後3時17分。秋の風が冷たく感じられ寒いくらいのコンディションとなった。2番目に出走した武士は気迫のこもったアタックを見せたが、他のドライバー達がさらに速いタイムを記録したため最終的に10位。この日34回目の誕生日を迎えた武士は、たくさんの人達から祝福を受けパワーを充電。明日の決勝レースでの追い上げを誓った。



決勝 11月5日(日)

前日から上空に広がっていた雲がきれ、見事な富士山が望める爽やかな秋晴れとなった富士スピードウェイ。定刻の午後2時、300km先のゴールを目指し42台のマシンはついにシーズン最後のローリングスタートを切った。#25のスタートドライバーをつとめた織戸は、ポジション争いによる混乱をうまく避け10番グリッドから7番手にジャンプアップ。2周目、6号車SCにかわされ一旦は順位を落とすが、オープニングラップでのアクシデントにより8号車NSXがマシン修復のためピットに入ると再び7位へポジションを戻す。しかし13周目には今レースからNAエンジンを搭載してきた22号車Zにパスされ8位となっていた。未発表ながらも、おそらくトヨタスープラのラストランとなるこのレース。愛車として所有するなど特にスープラに思い入れの強い織戸は、こうした一進一退の攻防戦のなか、名残惜しむように快走を続けているようだった。

レースも3分の1を経過すると早くもピット作業が始まった。24周目の3号車Zを皮切りにGT500クラスは各車早めのピット作業を遂行していった。29周目には#25もピットへ戻り武士へドライバー交替。チームツチヤのクルーは正確なピット作業をこなし9位で武士を戦列に送り出した。武士は残り37周という長いスティントを、タイヤのマネージメントをしっかりと行ないながら順調に走行を重ねていく。43周目には5位走行中の3号車が接触行為によるドライブスルーペナルティを受け、武士はこれにより8位へとポジションアップ。タイヤが厳しくなる終盤になっても好タイムを維持して追い上げを図り、前方の18号車NSXとのタイム差を徐々に縮めていく。そうしているうちに、さきほどの3号車のペナルティ執行により10秒以上のマージンを築いていたはずの武士の後方に、その3号車が勢いよく迫ってきた。この日の3号車は序盤3位を走行するなど#25よりもペースが良く、残り3周のところでついに武士の背後にピタリとつけた。各コーナーでは今にも接触しそうなほどの接近戦。武士は何度も詰め寄られるが、その度に攻勢をしのぐ力闘を見せる。しかしファイナルラップでの執拗なプッシュにより、武士はアクシデントを回避するため3号車の先行を許すことに。ゴールすることを優先した武士は無事完走のチェッカーを受け、最終戦を9位入賞というリザルトで2006年シーズンを締め括った。



武士のコメント

自分の力を精一杯出せたレースだったと思います。やるだけやった結果なのでスッキリしています。最後はラップタイムが1秒も速いクルマが後ろに迫っていました。最終戦ということで、来年に繋がるいいレースをして、とにかく最後まで走りたかったということもありました。ギリギリのところで戦っていて接触しそうだったのでゴールすることを優先する形になったんです。結果だけを見ると1年を通して残念な状況なので、もっとステップアップ・パワーアップできるように来年に向けて今から準備をしていきます。本当にいい仲間に恵まれてみんなの応援があって、いいシーズンを送れたと思っています。みなさん1年間応援ありがとうございました。


Pos No Machine Time/gap Lap Tire
1 32 EPSON NSX 1:48'06.601 66 DL
2 35 BANDAI DIREZZA SC430 0'32.657 66 DL
3 24 WOODONE ADVAN KONDO Z 0'32.979 66 YH
4 36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 0'41.777 66 BS
5 6 Mobil 1 SC 0'41.952 66 BS
6 22 MOTUL AUTECH Z 0'56.842 66 BS
7 18 TAKATA 童夢 NSX 0'58.341 66 BS
8 3 イエローハットYMS トミカ Z 1'04.784 66 BS
9 25 ECLIPSE ADVANスープラ 1'05.440 66 YH
10 66 triple a サード スープラGT 1'25.568 66 BS
11 23 XANAVI NISMO Z 1'32.050 66 BS
12 12 カルソニック インパル Z 1'34.398 66 BS
13 100 RAYBRIG NSX 1Lap 65 BS
14 8 ARTA NSX 2Laps 64 BS
以上完走
R 1 ZENT セルモSC 1 1'34"203 BS


19:25 | スーパーGT | - | -
2006年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン レースレポート
2006年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン レースレポート
「ROUND8 ツインリンクもてぎ」2006.10.21〜22 予選7位→決勝8位


シリーズ全9戦で争われるフォーミュラ・ニッポンも残すところあと2戦となった。タイトル争いは前戦SUGOでチームタイトルが決定し、残すはドライバーズタイトルのみとなっている。今週第8戦が開催される“ツインリンクもてぎ”にて、そのタイトル争いに決着がつく可能性も大いにある。気になる週末の天気予報はおおむね晴れ。第5戦、真夏のオートポリス以外は全て雨柄みのレースだっただけに、ドライでのレースを楽しみにしているファンも多いはず。キレイなカラーリングが施されたフォーミュラ・マシン。太陽の光を浴びてさらに美しくなった姿をやっと拝めるレースウィークとなりそうだ。


予選 10月21日(土)
暖かな日差しに包まれたツインリンクもてぎ。気温20度・路面温度28度という過ごしやすいコンディションの中、公式予選1回目は午前10時25分にコースオープンとなった。序盤はほとんどのドライバーがピットの中でコースを窺っている状況。予選が動き出したのは開始から15分、日が陰り始めた頃だった。ランキング上位陣のコースインと共に武士も新品タイヤでピットを離れる。3周目に3位のタイムをマークするとクールダウンラップを挟み、さらに翌周自己ベストタイムを刻んでくる。7番手の順位で一旦ピットに戻った武士は続けて2セット目の新品タイヤを投入。さらに自己ベストタイムを縮めるが、他車もタイムアップを果たし武士は7番手のまま。時間的にはまだアタックが可能な状況だったが、午後に向けさらなるタイムアップを目指し最後はマシンのセットアップに時間を費やした。午前の予選は9番手で終えている。
公式予選2回目のセッションは午後2時15分にスタート。厚い雲に日差しが遮られ風も吹く肌寒い天候となった。午後はコースオープンと同時に全車一斉にコースイン。路面温度は午前よりも下がり、いつもより慎重にタイヤに熱を入れる姿が目立った。武士はピットアウト・インを繰り返しながら、路面温度の変化に合わせマシンセッティングを丁寧に修正していく。そして残り15分あまりのところで新品タイヤでアタックを開始。しかし遅いマシンにひっかかり思うようにタイムが伸びない。予選も終盤、午前のタイムを上回るマシンも出始める中、4セット目のタイヤを履いて最後の勝負に出ていた武士も負けじとフルアタック。最後の最後で自己ベストタイムを0.5秒近く詰め4位に食い込んで見せた。チェッカー間際、順位はさらに激しく入れ替わるが、それでも武士は総合7位。午前の予選から2ポジションアップに成功し、いい流れを保ったまま明日の決勝レースに挑むこととなった。


決勝 10月22日(日)
決勝日、この日も好天に恵まれたツインリンクもてぎ。朝8時半から30分間行なわれたフリー走行ではマシンの最終調整とピット作業の確認を行ない、武士は5番手となるタイムをマーク。“昨日データをチェックし直し色々と対策を練った結果、今シーズンで一番ベストなマシンに仕上がった”と好調なコメントを残し、武士は満を持して決勝レースへと挑んだ。時刻が午後2時20分を迎えると、曇天の下、22台のマシンはフォーメーションラップを開始。張り詰めた緊張感の中、62ラップに及ぶ決勝レースのスタートが切られた。武士は7番グリッドから抜群のスタートダッシュを決め松田を難無くかわすと、片岡に併走して1コーナーへ。続く3コーナーでは後方で多重クラッシュ発生、オープニングラップから荒れた展開となり一気に5台がリタイア。武士は激しいポジション争いをくぐり抜け5位でコントロールラインを通過した。2周目には燃料を軽めでスタートしたと思われるデュバルに、さらに3周目には松田にと、タイトル争いを展開している2台に先行を許すものの、武士はトップグループから離されずにしっかりと付いていく。しかし5周目あたりからペースが上がらない金石に道を阻まれる松田と武士。11周目の5コーナーでようやく松田が金石をパスすると、続けて武士も130RのインからS字の進入でアウトからと華麗なオーバーテイクを見せた。時を同じくしてトップの小暮が戦列を去り、武士はこれで5位へとポジションを戻した。22周目、上位陣で早めのピットインを敢行したのはトップを走行していたデュバル。これにより4位へと浮上した武士は、消耗するタイヤに苦戦しながらも32周目までひっぱりようやくピットイン。前周にピット作業を行なった松田より2秒早いピット作業を見せたDHG TOM'S レーシングは武士を5位でコースへと送り出した。その後も武士は自己ベストタイムを更新しながら、トップグループと遜色の無いラップタイムで快走を続けていった。
44周目、予想どおりトップのデュバルが2回目のピットイン。武士はこれまでの力走により見事逆転に成功、再び4位へと順位を上げた。さらに50周目にはデュバルに替わってトップを走行していた本山がエンジンブローによりストップ。武士はついに3位へと躍進した。序盤の遅れが響きトップのトレルイエには30秒程先行を許してしまっていたものの、2位の松田・後方の片岡とのギャップはそれぞれ約6秒。残り12周を残し激しい2位争いが展開されていくかに見えた。しかし武士はこの辺りからクラッチにトラブルを抱え若干ペースが鈍る。残り4周のところで一気に片岡が背後まで迫るが、武士はマシンを労わりながらも必死に攻め続け、ついにファイナルラップへと突入した。誰もが武士の3位表彰台獲得を確信した次の瞬間、突然のスローダウン…トラブルを抱えていた武士のマシンは予想以上に燃料を消費し、チェッカー目前のピットレーン入り口付近にてストップしてしまったのだ。レース結果は、規定周回数をクリアしていたため8位完走扱いとなっている。
これがレースと片付けてしまうにはあまりにも非情な結末となってしまった。武士はレース後に“ファイナルラップまで攻め抜いた結果なので内容には満足している”とコメント。TOM'Sは今回のレースで序盤2台揃ってポイント圏内を走行し、武士は上位争いに絡みそのマシンのポテンシャルを遺憾なく発揮した。1ヶ月後の鈴鹿最終決戦では、必ずやこの雪辱を晴らしてくれるだろう。その前に…今日の武士の走りに拍手を送りたい。


2006.10.22 / WEATHER:CLOUDY / COURSE:DRY
Pos. No. DRIVER LAP TIME
1 19 ブノワ・トレルイエ 62 1:42'56.839
2 20 松田 次生 62 1:43'21.710
3 7 片岡 龍也 62 1:43'35.680
4 31 ロイック・デュバル 62 1:43'48.367
5 11 立川 祐路 62 1:43'59.035
6 4 柳田 真孝 62 1:44'11.560
7 34 横溝 直輝 62 1:44'30.107
8 37 土屋 武士 61 1:41'55.623
9 33 ロニー・クインタレッリ 61 1:42'58.112
10 32 武藤 英紀 61 1:43'23.620
11 40 ビヨン・ビルドハイム 61 1:43'39.482
12 6 折目 遼 58 1:38'33.347
(以上規定周回完走) 規定周回数:55
- 1 本山 哲 49 1:21'32.900
- 36 アンドレ・ロッテラー 43 1:12'34.637
- 8 高木 虎之介 23 39'19.082
- 56 小暮 卓史 13 21'30.768
- 55 金石 年弘 11 18'31.035
- 17 平中 克幸 0
- 3 荒 聖治 0
- 41 井出 有治 0
- 5 道上 龍 0
- 2 星野 一樹 0

22:07 | Formula Nippon | - | -
SUPER GT レースレポート
2006年 SUPER GT レースレポート
「ROUND8 オートポリス」2006.10.14〜15 予選8位(スターティンググリッド15位)→決勝15位





前戦から1ヶ月以上のインターバルをおきSUPER GTは九州に上陸。第8戦は“大分県・オートポリス”が決戦の舞台となる。残り2戦となりタイトル争いも佳境。以前はご法度とされていたいわゆる“チームオーダー”も、今ではオートポリス戦の見所の一つと化してしまっている。最終戦へ向けた最後の1戦、今年はどのような展開になるのか…できることなら純粋なバトルを九州のファンにも見てもらいたいものだ。いずれにせよタイトル争いを占ううえでも最も重要な注目の戦いとなることは間違いない。


予選 10月14日(土)
前日の合同テストに引き続き爽やかな快晴に恵まれたオートポリスにて、この日決勝レースのスターティンググリッドを決定する公式予選が行なわれた。GT500クラスの占有セッションは午前10時50分から。気温22℃と、前日の合同テストと比べても差ほどコンディションの変化がないことから序盤はほとんどのマシンがピットにて待機。残り8分をきった辺りから恒例により続々とコースインを開始した。#25 ECLIPSE ADVAN スープラもこのタイミングで武士が乗り込みピットを離れる。ゆっくりとタイヤに熱を入れ集中力を高めていく武士は次第にアタックモードへ。順調にタイムを刻んでいきコースインしてから3周目に8番手のタイムをマーク。その後他車のタイムアップにより1つ順位を落としたものの、武士は9位で今季2度目のスーパーラップ(SL)進出を決めた。
午後2時40分から行なわれた公式予選2回目はSLへ向けた最終調整に時間を費やし、3時44分からいよいよ注目のGT500クラスのSLが開始された。2番目に出走となった武士は緊張感みなぎる中、新品タイヤでアタックへと向かった。「思いっきりいく!」と断言していた武士はその言葉どおり積極的な攻めの走りを見せ、得意のセクター1ではマイナス表示!しかし路面温度が予想以上に上がったためか最終的に僅か0.376及ばず、1分42秒606でこの時点で2番手のタイムをマークした。その後の他車のアタックでは2台のマシンが武士のタイムを下回ったため最終的に#25は8位。このSLで9位までがコースレコードという激戦のなか見事1ポジションアップを果たし、いい流れを掴んだまま明日の決勝レースへ挑むこととなった。

決勝 10月15日(日)
3日間を通して快晴に恵まれ迎えた決勝日の朝、残念なニュースが飛び込んできた。前日の予選終了後のマシンチェックにて#25に問題が発生。決勝レースを走りきるには不安があるとの判断で、10グリッド降格のペナルティを覚悟でエンジン交換を決断。チームはエンジンの乗せ替え作業を夜遅くまで行なったという。さらに決勝日の朝のフリー走行ではステアリングにトラブルが発生。フリー走行後、シャッターが閉められたままでの懸命なマシンの修復作業が進められた。ハードワークを強いられたチームクルーの惜しみ無い努力の末、コースイン開始ギリギリのタイミングでその作業が完了。最後尾スタートを余儀なくされた#25であったが無事スターティンググリッドに整列することができた。
スタート直前の気温22℃、路面温度43℃と絶好のレース日和で迎えた午後1時55分。5万1000人の大観衆が見守る中、定刻どおり1周のフォーメーションラップを開始した36台のマシンはグリーンシグナルと共に決勝レースをスタートした。#25は織戸がステアリングを握り、オープニングラップでは24号車Zをかわし14番手で戻ってきた。その後も前日からのトラブルを感じさせない快走を続け着実に順位を上げていく。他車のピットインも手伝って8位までポジションを挽回した織戸は29周目にピットイン。チームクルーは疲れを見せずいつも通り素早く正確なピット作業をこなし、ドライバー交替した武士を13位でコースへと送り出した。武士もチームの期待に応えるかのように、予想以上に上昇した路面温度によるタイヤの消耗をセーブしながら安定したラップタイムで周回を重ねていく。
41周目、2ピット作戦を選択していた35号車SCが2回目のピット作業を終え、11番手で走行を重ねる武士のすぐ後ろでコースへ復帰。35号車はフレッシュタイヤで背後から武士に執拗なプレッシャーを与え続ける。この2台は10周近くに渡り1秒差の中で接近戦を展開。一瞬のミスでポジションが入れ替わる息の詰まる攻防戦となっていた。そうしているうちに武士は前方の66号車スープラと6号車SCに追い付き、パスするのも時間の問題という状況に。4台によるバトルに期待が膨らんだそんな矢先の50周目のヘアピンコーナー、35号車が#25にまさかの追突。その影響でスピンを喫した武士はすぐにリカバリーを行ないコースへと復帰、翌周に緊急ピットインを余儀なくされた。ピットレーン上でマシンをチェックし一旦はコースへ復帰した武士であったが、追突された衝撃によりマシンのアライメントが狂ってしまい、もはや走行を続けられる状態ではなくなっていた。再度ピットへ戻り今度はガレージへとおさまる。それでも諦めないチームツチヤは短時間で走行可能な状態へマシンを修復し武士を再びコースへと送り出した。この時点で完走扱いの規定周回数45ラップに達していたが、必死に頑張ってきたチームのためにも「どうしてもチェッカーを受けたい」と、武士は9ラップ遅れになりながらも諦めずに走行を続け無事にチェッカー!チームの団結力にも支えられ最後まできっちりと戦いきり完走を果たした。不運にも決勝こそ苦しい展開となってしまったが、レースウィークを通じて見ればマシン・タイヤのパフォーマンスの高さも十分に証明。最終戦となる富士へ向け大きな期待を抱かせる1戦となった。

Pos No Machine Time Lap Tire WH
1 23 XANAVI NISMO Z 1:56'15.613 65 BS 10 (+1)
2 18 TAKATA 童夢 NSX 0'07.925 65 BS 30 +25
3 100 RAYBRIG NSX 0'30.221 65 BS 80 +25
4 12 カルソニック インパル Z 1'02.484 65 BS 60
5 1 ZENT セルモ SC 1'13.104 65 BS 80
6 22 MOTUL AUTECH Z 1'33.121 65 BS 90
7 36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430 1'34.685 65 BS 90
8 3 イエローハットYMS トミカ Z 1'34.855 65 BS
9 35 BANDAI DIREZZA SC430 1'44.592 65 DL 20
10 66 triple a サード スープラGT 1'50.639 65 BS
11 8 ARTA NSX 1Lap 64 BS 40 +25
12 32 EPSON NSX 1Lap 64 DL +1
13 6 Mobil 1 SC 1Lap 64 BS 30
14 24 WOODONE ADVAN KONDO Z 2Laps 63 YH +1
15 25 ECLIPSE ADVANスープラ 9Laps 56 YH +1 -25
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